2011年3月11日14時46分,途方もない大地震(M9.0)が東北・北関東を揺さぶり,直後の大津波が沿岸を襲い,多くの人を,家ごと攫いました.その猛威の映像と死者・行方不明者2万余という事実に言葉を失いました.犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈りします.   残された人びとの冷静な行動と礼儀正しい振る舞いは,全世界を驚嘆させ,賞賛の的となりました.日本人として誠に誇らしいことです.   今回の大震災は,しばらく目標を失っていた日本に,復興という明確な目標を与えてくれたように思います.若い人びとが,助け合いの輪を広げていく活動に熱心なことに何より勇気づけられます.   しかし,福島第一原子力発電所事故が私たちの行方を妨げ,不安にさせます.関係者の必死の努力で最小限の被害に納めてくれることを期待していますが,大量の放射性物質が周囲にまき散らされていることも事実です.放射性物質を体内に取り込まないことが第一ですが,放射性物質の発する放射線対策も必要です.   実感のない放射線量の数字に訳もなくおびえる前に,なぜ放射線が怖いのかを知る必要があります.放射線は大きなエネルギーを持つが故に,水をも分解し,分解された水が,結局は活性酸素・フリーラジカルとなって,生体を傷害するから怖いのです.「何だ活性酸素・フリーラジカルか,それならコエンザイムQ10などの抗酸化物質が役立つはずだ」と思い出していただきたいのです.放射線には他の作用もあり,抗酸化物質を過信することも禁物ですが,「幽霊の正体見たり枯れ尾花」となれば幸いです.            理事長 山本順寛